SESで起業する際の資金調達と用意するものについて

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世間はハロウィンでふわふわとした空気が流れていますが、SES的には月末で朝から案件情報や人材情報が飛び交っていますね。

今日は前回のSESで起業するためのノウハウ垂れ流し連載の続きです。

僕

今回はSESで起業する際の「事前に必要なもの」について解説していきたいと思います

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SES事業を始めるのに最も必要なのは運転資金

僕

これまで2度SES事業を立ち上げからやってきましたが、1回目は500万円、2回目は300万円でスタートさせました

0からの立ち上げだったのと、役員報酬や家賃などは最初はミニマムスタートだったのでだいたいこれくらいあれば足りましたね。

最初から採用広告をガツンと打ってプロパー中心で一気に増やしていくのであれば1000万円くらいは欲しいところです。

SESのデメリットでお伝えしたように、SESは入金サイクルが肝なので常に給与支払いが2回転〜3回転は回せるくらいの余裕が必要です。

営業や管理をどれくらいの人数でスタートさせるかによって、バーンレート(1ヶ月にいくらお金を失うかを表すもの)が変わってきます。

運転資金の集め方と創業融資について

また、資金の集め方ですが2、3人で持ち寄って自己資本で集める方法もありますし、それ以外にも一部出資を受けたりとかもっと少ない資本でパートナー中心でやり始めたりなど色々な方法はあります

資金調達については会社を興す上で最も重要なのと、ファイナンスは一度失敗してしまうと後戻りできなくなってしまったりするので、会社を作る前にファイナンスについて学んでおくと良いでしょう。

あとは日本政策金融公庫の創業融資とか助成金なんかも色々あるので、調べておいて損はないと思います。

特に創業融資については、それを専門でやっている税理士や会計士がいるので、創業する前に税理士ドットコム」などで調べることをおすすめします。

起業する際はファイナンスについて学ぼう

起業のファイナンス」はもはやベンチャーやスタートアップ起業のバイブル的な本になってますよね。

エンジェル投資家やVCを探すときは色々な方法がありますが、yentaというアプリを使って知り合う方法などもあるようです。

財務については専任の人が仲間にいれば尚良いのですが、社長自身もファイナンスの知識が無いのは致命的です。

最低限のリテラシーでも身につけておいて損はないでしょう。

SESの契約関係で諸々必要なもの

この記事はSESを既に経験している人向けに書いているので説明はある程度省きますが、基本契約書、NDA(秘密保持契約書)、注文書、注文請書、請求書、スキルシートのフォーマット、などがあれば営業活動をする上で大体事足ります。

僕

あとは顧客にもよりますが、見積書くらいですかね

SESの営業活動をしていればこれらのフォーマットは、比較的容易に手に入るかと思います。

そのまま使用すると色々と問題があったりするので中身の精査をして改修したり、スキルシートなんかは自社向けにカスタマイズして使いやすくする工夫をすると良いでしょう。

就業規則とか36協定とか会社に必要なものは、その都度準備していく形で良いと思います。

最近は起業パックみたいなものもあるので、自分で用意するよりもある程度アウトソースしちゃって、営業活動にいち早く専念できるようにすることが大切です。

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SESの営業がどれくらいで起業できるかの目安

起業の目安

これはあくまで自分の肌感覚なのですが、SESの営業として単独で20〜30名くらい稼働させることができているなら、自分で独立して起業してもある程度はうまくいくのではないかと思っています。

僕

実際に社長が1名で営業をやっていて、十数名の会社で食えてる会社なんかもたくさんありますよね

パートナーもゴリゴリ営業ができる人なんかだと、キャッシュフローを安定して回せたりするので最初から売上をどんどん増やすこともできます。

あとは起業した時にどれくらいの人が味方になってくれるかどうかが大事なんですが、新しい会社を作った後でもすぐに取引してくれるとこが最低でも5社以上あればなんとかなるんじゃないかなと。

新規の会社ってどうしても信用が無い状態なので、特にパートナーで会社を大きくしていこうとするのであればこの辺で苦労するんじゃないかなと思います。

SESで起業する際に必要なもののまとめ

  • 当面の運転資金と良い税理士
  • ファイナンスの知識
  • 契約書等のフォーマット
  • 新規取引が可能な見込み企業
僕

ざっくりまとめるとこんな感じでしょうかね

今回は感覚値的な内容になってしまいましたが、これはあくまで自分が経験した上での見立てなので参考程度に見ていただけるとありがたいです。

またこの連載はSESの営業をしている人が、0から会社を立ち上げるパターンとして想定しています。

全くSESの営業ノウハウがない場合や別で事業を行なっていて、SES事業を新規で立ち上げたいなんて場合は戦略が変わってきますのでご注意ください。(そういえばそんな相談も受けたりしてたような気がします。。)

コメント

  1. モロッコ より:

    とても興味深い記事です。

    >全くSESの営業ノウハウがない場合や別で事業を行なっていて、SES事業を新規で立ち上げたいなんて場合は戦略が変わってきますのでご注意ください。

    こちらですが、実際にどのような戦略になるのか、是非知りたいです。
    教えていただけますでしょうか。
    よろしくお願いいたします。

    • SES営業のノウハウ手帳 より:

      コメントありがとうございます!

      まず、そもそも営業ノウハウがない場合は、ビジネスの仕組み自体から立ち上げる必要があるので、SES事業を熟知した人材を外から招き入れるか、SES事業をすでにやっている企業と事業提携などをしてナレッジを溜めるところからスタートする必要があります。

      どこまでコミットして事業をやれるかにもよりますが、単純に時間と工数とお金がかかるため、事業計画を立てるにしても未知数の部分が大きくなるのではないかと思います。

      また、別で事業を行っている場合は、その事業とSES事業でどれくらいシナジーがあるかが大切になってきます。例えば別事業で直取引がある顧客がSESのニーズもあったりすると、いわゆる「エンドユーザー案件」が簡単に取れたりします。

      既存の顧客が流用できると、市場に出回っているような案件とは別の角度から攻めることができるので、営業戦略もパートナー開拓に注力するなど他社と違った戦略を立てることができます。

      逆に飲食業などSESと関連性が薄い事業をやっている場合は注意が必要で、特に採用面で会社の将来像やストーリーをエンジニアに伝える際に、事業の整合性が取れなくなります。「なぜその事業をやるのか」を説明できる建て付けが必要になりますね。

      • モロッコ より:

        ご回答ありがとうございます。

        なるほど、別事業との関連性があれば確かに仰る通りですね。

        >SES事業を熟知した人材を外から招き入れるか、SES事業をすでにやっている企業と事業提携などをしてナレッジを溜める

        いわゆるパートナー提携というものでしょうか。
        設立数ヶ月間は赤字状態が続くと思いますので、自己資金は1000万以上ないと厳しいかな、という印象です。

        ノウハウ手帳さんは1回目は500万円で設立された、とのことですが、既に案件やエンジニアが確保できていた状態だったのでしょうか。
        差し支えなければ教えていただけますと嬉しいです。

        • SES営業のノウハウ手帳 より:

          レスがだいぶ遅くなっちゃってすみません。

          >ノウハウ手帳さんは1回目は500万円で設立された、とのことですが、既に案件やエンジニアが確保できていた状態だったのでしょうか。

          元々、1回目の起業をする前はSESの営業をやっていたので、案件は普通に確保できていました。営業のナレッジもあったので立ち上げ初期から、相当な数の企業へ営業をかけましたね。

          また、エンジニアについても数名は確保できていましたが、設立後もすぐに求人をかけてエンジニアを採用していました。

          SES事業は初動が大事なのですが、一定の稼働数まで一気にいかないとキャッシュフローは厳しくなります。

          自己資金で1000万以上はあった方がもちろん良いと思いますが、営業キャッシュフローをどれだけ早く黒字化させるかが勝負どころとなります。

          • モロッコ より:

            ご連絡ありがとうございます。

            代表自身が営業出身ではなくエンジニアの場合は、契約獲得に向けた動きとしては下記3パターンを想像するのですが現実的に勝ち筋はあると思いますでしょうか。

            ・パートナー経由で案件を獲得
            ・現在働いている企業のIT企業とのコネクションを活用してエンド契約する
            ・正社員や業務委託で営業を雇う

            ノウハウ手帳さんのご意見を伺いたく、ご確認よろしくお願いいたします。

  2. SES営業のノウハウ手帳 より:

    >・現在働いている企業のIT企業とのコネクションを活用してエンド契約する
    勝ち筋があるのはこちらですね。基本的に市場に出回っている案件情報は、SESの営業なら簡単に知り得ることができます。

    逆に自分だけが優先的に知ることができる情報だったり、コネクションがあって面談でプッシュができるような案件がある場合は、競合他社に比べて優位なポジションを築くことができます。

    また、パートナー経由での案件獲得も悪くはないですが、商流だったり条件面で折り合いがつけられるなら良いとは思います。また、初期から営業を雇う場合は、理想は一緒に仕事をしたことがある人を引っ張ってくるのが良いです。

    営業は管理するのがとても難しいです。特に立ち上げ時の場合だと、自発的に動ける営業じゃないと厳しいので、最初はそれなりの人を入れないと回らないんじゃないかなと思います。

    どれくらいの事業規模を目指すのか、どんなことを強みにして戦っていくのか、どういった事業体制が理想なのか。これらによっても戦略は変わってくると思いますので、事業計画に落とし込んでいくと良いのではないでしょうか。

    • モロッコ より:

      ご回答ありがとうございます。

      営業の管理が難しいともことですが、具体的にどのように難しいのでしょうか。
      素人ながらのイメージですが、契約を進めていく上で必要な各書類の作成や管理やスケジュール等であればそこまで難易度の高い業務ではないと思ってしまうのですが、実際にはそのレベルの営業マンが少ないということでしょうか。

      また、ノウハウ手帳さんの会社設立当初のメンバーは何名だったのでしょうか。スモールスタートであれば、営業出身であれば代表1人でも業務を回すことが可能かな、と思ったのですが、差し支えなければ、教えていただけますと幸いです。

      • SES営業のノウハウ手帳 より:

        そうですね、最初から1人称で自分の頭で考えて、自発的に動ける営業は少ない印象です。特に0→1の場合は。

        ある程度の仕組みや立ち回り方、営業進捗の管理方法が整っていれば、動ける人はいるかなというイメージですね。

        私の場合は営業全般を自分1人で回して、営業事務的な役割の子がもう1人いました。わりと早い段階で稼働人数が増えたので、半年くらい経ったタイミングで一気に営業を増やしました。

        たまたま、法人営業経験者が人づてで何人か採れたので、あとは仕組化したり営業のインセンティブの比率を大きくしたりして、組織を拡大していった形ですね。

        大手SIer出身の営業も採用したことがあるんですが、空アポばかり入れて全然数字が上げられない人なんかもいて、営業は当たり外れが大きいんですよね。

        • モロッコ より:

          ご回答ありがとうございます。

          そうなんですね。仕組化が重要ですね。

          エンジニアの採用がどれだけ上手くいくか、ここが本当に難しそうだなと思っています。
          求人媒体だけで、毎月一定数のエンジニアを採用できればいいのですが、個人的にはここが一番の懸念点です。
          いろんな求人媒体の上位プランを使用していくしかないと思いますが、どれだけコストがかかるか、最初の数か月間は採用コストで赤字経営を覚悟する必要がありそうです。
          営業はできる限り少人数で回したいところですね。エンジニアがいなければ、人件費を支払うだけの負債になってしまうので。

  3. モロッコ より:

    お久しぶりです。

    SES企業を立ち上げたのですが、エンジニアの応募が全くない状態が続いています。
    求人媒体はどれも無料のengage,indeed,求人ボックスです。
    そろそろ求人媒体にお金を投資しようと考えているのですが、採用に繋がらずお金が溶けていくリスクを考えると、なかなか踏み出せません。ノウハウ手帳さんがお勧めする方法などございましたら、アドバイスいただけますと非常に心強いです。
    差し支えなければ、ノウハウ手帳さんが採用に上手くいったケースを教えていただけないでしょうか。

    以上、ご連絡お待ちしております。

    • SES営業のノウハウ手帳 より:

      まずは事業立ち上げおめでとうございます!

      採用については一筋縄ではいかないと思いますが、最初はトライアンドエラーを繰り返していきながら、当たりの打ち手を探していく必要があるかと思います。

      広告費は水モノなので、採用ができないとひたすら溶けていくことになりますよね。1つ方法としては、成果報酬型や応募課金型などの採用媒体を使うことです。この場合は、採用単価さえ許容できればある程度の採用計画と予算は立てやすいかと思います。ただし、そもそもの求職者の登録が少ない媒体は要注意ですが。

      そして自分が採用で上手くいったケースでいうと、ひたすら大手と求人でバッティングしないところを狙い続けたところですね。エンジニアの中でも掲載社数の少ないカテゴリだったり、大手があまり出していない媒体だったりで、出し抜くイメージです。

      ここの記事でざっくり求人戦略については書いていますが、極端な例だと案件元で良くみるような地域に、スポットで紙媒体を出すみたいなことも過去にはやりました。(応募はほぼ0でしたが、いくつか出した中の1つの地域で3人採用できたりなど)

      立ち上げたばかりの時は、新しい会社ってところを前面に出して、代表の思いとか熱意とか、そっち側に振り切って掲載したのは覚えています。かなり無茶苦茶なことを言ってた気がしますが。。

      というわけで、具体的なアドバイスとまではいきませんが「どうすれば他社の求人に埋もれなくなるのか」という点に絞って、求人戦略を練っていくと良いのではないでしょうか。

      • モロッコ より:

        早速のご連絡ありがとうございます!

        私も最初は成果報酬型や応募課金型のタイプで試してみようかと思っていました。
        別記事、拝見しました!とても参考になります!FindJobも検討してみようかと思います。ただライトプランでも月額5万円はやはりなかなか一歩踏み出せず。。。せめて1人でも採用が決まれば、広告費にお金を出せる気持ちになるのですが。
        でもまずは試してみないとですね!

        あとは代表の想いについてはあまりHPに記載していなかったので、その辺も書いてみようかと思います。実際に想いはあるので書く内容には困らないですが、既にHPを公開してしまったので、情報のアップデートが沢山でてきたらHPを拡張する際に、載せようかと思います。

        具体的なアドバイスありがとうございます!
        今後もブログ楽しみにしています!

      • モロッコ より:

        あと、もう一点質問がございます。
        最近はフリーランスエンジニアを目指している人も多いかと思っています。
        そこで、SES企業だけでなく、フリーランスエンジニアの仲介も事業として始めても良いかなと思っているのですが、ノウハウ手帳さんはどのように感じますか?
        ビジネスモデルはSESとほぼ同様の認識ですので、SESだけに絞る必要はないかと思いました。
        是非、ご意見いただけますと嬉しいです!

      • モロッコ より:

        フリーランスエージェントは案件数が多くないと成立しないですよね。
        でも、ノウハウ手帳さんとのやりとりで今閃きました!
        ありがとうございます!
        方向性が見えてきたので頑張ります!

        • SES営業のノウハウ手帳 より:

          はい、フリーランスでもフローはパートナー営業とさほど変わらないので、やられている企業さんも多いですね。

          ここはフリーランスの応募数を確保できる仕組みがあれば、勝ち筋は見えてくるかと思います。ただし、競合が非常に多いのと営業上のマネジメントが難しいので、そこがクリアになれば良いのではないかと思いますー