SESというとSIerを中心としたエンタープライズ側のイメージが先行されますが、ゲーム業界などエンターテイメント寄りのサービス開発においてもSES契約は存在します。
その中でもこの記事では、現在主流となっているネイティブアプリでのソーシャルゲーム開発とSESとの関わりについて解説していきたいと思います。
ゲーム業界と一言でいっても古くはアーケードからコンシューマーやPCオンラインゲーム、そしてmobageやGREEの台頭から始まったソシャゲ業界と様々な歴史があります。
これまでのソーシャルゲーム業界の変遷について
まずは、ソーシャルゲーム業界の変遷についてざっくり説明していきます。
ソーシャルゲーム黎明期はPHPやJavaScript、FlashなどのWEB系技術を使用した「ブラウザゲーム」というものがトレンドの中心でした。
当時の主流はいわゆるポチポチゲーってやつですね。最初はガラケーでiPhoneの登場でその流れはスマートフォンに引き継がれていきます
そこからパズドラが世に出てきて、後のモンストなどスマートフォンでのネイティブゲームに主役が移り変わり、日本のソーシャルゲーム市場は急成長して1兆円を超える規模まで拡大しました。
その成長市場において多くのゲームデベロッパーが上場し、競争が激化する中で市場はやや飽和しながらもゆるやかに成長を続け、現在に至ります。
現在のソーシャルゲーム開発とトレンドについて
ソーシャルゲームの品質はコンシューマーゲームの数倍の速さで進化していて、どんどん高いクオリティのゲームが市場に求められ、それにより開発費が高騰しています。
いまだと1本のゲームタイトルを開発するのに、5~10億円ほどの予算がかかります。
もちろんガワ替えとかライブラリを使いまわしたりとかで、安くゲームを開発する方法もあります
昔は独自でゲームエンジンを作ったりもしたんですが、現在の主流はUnityかUnreal Engineを使って開発することが増えていて、開発言語でいうとC#かC++でクライアント側を実装することが多いです。
サーバーサイドは各社色々で、JavaやRubyでやってるとこもあれば、ブラウザゲームの流れでPHPでやってるところもあります。
DBもMySQLだけじゃなくて色々ですね。僕が関わってたところだとMongoDBとかAuroraとか使ってました
ソーシャルゲーム業界の職種と役割について
ソーシャルゲーム開発には様々な役割の人が携わっていて、その中でも比較的オーソドックスな職種について解説していきたいと思います。
ゲームプロデューサー
ゲーム開発の中で1番偉い人です。
そもそもの予算をとってきたり、リリースまでのスケジュールを策定したり、開発メンバーの選定やアサインなどプロジェクトにおける責任者のポジションですね。
僕が関わったことがある人だと少し変わっていてクセの強い人が多かったですね。胆力と推進力が必要なポジションです
ここはSESで絡むことはほぼないですが、プロデューサーがフリーランスだったり自分で会社を持っていて社長だったりもします
ゲームディレクター
プロジェクトの進捗管理から外注とのやり取りなど、ディレクションが主な役割です。
プロジェクトによってはプランナーの人が兼任してたりしますが、ゲーム開発プロジェクトにおいてコミュニケーションを円滑に取れる人が向いています。
デザイン会社や声優プロダクションともやり取りをしたり、多岐にわたる雑用的な仕事もたくさん降ってくるポジションです
ゲームディレクターのSESニーズは時々ありますね。プランナー経験者とかでも提案できる場合があります
ゲームプランナー
ゲームの企画や仕様を作ったりします。
プランナーの仕事は細分化すると色々な呼び方があるんですが、マスタデータを作ったりする「データワーカー」や、シナリオなどのセリフを作る「スクリプター」なんかも大枠ではプランナーに該当するのかなと。
ここはちょっと会社によって分業化されてたりするので、定義が難しいですね。レベルデザインなんかもプランナーの役割になっていたりします
プランナーのSESニーズは結構あるんですが、デキる人を求められたりするので難しいところではあります。積極性とか見られますね
デザイナー
ゲームのグラフィックやUIなどデザインを行う人です。
3Dデザイナーとかモデラ―とか、グラフィックデザイナー、UI/UXデザイナーなど担当する箇所によって様々な役割があります。
ここも細分化していくとキリがないんですが、アニメーションとかエフェクトを作ったりする人たちもこの辺なのかなと
デザイナー案件はポートフォリオが大事ですね。スキルがあってもゲームの世界観に合う合わないもあるので顧客側に判断してもらいます
ゲーム開発エンジニア
ゲーム開発においては、大きく分けるとクライアントエンジニアとサーバーサイドエンジニアに分けられます。
開発言語やDB、ゲームエンジンなどは各社によってバラバラで、どこの企業も優秀なエンジニアの取り合いになっているのが現状です。
メモリリークとか通信周りからチューニングができる人は、C言語からゴリゴリできる人が多いイメージがあります
SESでは案件情報はたくさんきますが、スキルに見合う人を探し出すのが難しいです。逆にエンジニアがいれば高単価も可能です
QAエンジニア/デバッガー
主にテストをメインで行う人たちです。
デバッグ会社は大手3社が有名ですが、昨今はゲーム品質の向上が求められるケースが増えており、従来のデバッガー的な役割からQAと呼ばれる、より高度な観点やスキルが求められる役割になってきています。
QAとか品質管理と呼ばれますが、ゲーム業界で有名なのは任天堂のデバッグをやっているマリオクラブですかね
SESでも単価は安いですが案件として回ってくることがあります。自動化などのQAエンジニアリングが関わってくると単価も高くなります
カスタマーサポート/CX
ゲームを遊んでいるユーザーからのお問い合わせに対応する役割です。
大きくは1次対応と切り分けやエスカレーションを行う2次対応に分けられ、1次対応については大手のカスタマーサポート企業に外注することが多いです。
ゲームのカスタマーサポートはもの凄い件数がくるので、数を捌ける大手が主流だったんですが、最近は質を重視する傾向があります
CSの1次対応はほぼ無いですが、2次対応で運営や開発に近いポジションのSES案件はたまにありますね
ゲーム業界とSESについてのまとめ
ゲーム業界が分かる人にはイメージできるかとは思うんですが、全体的にかなりざっくりとした説明になっています。
また、今回説明した職種以外にもBIやマーケティングなど様々な役割があり、1つのゲームタイトルだけでも多くの人がプロジェクトに携わりながら作っていることは理解できるかと思います。
その中でも、この記事ではSESで関わる部分にスポットを当てて解説をしてみました。
実はソーシャルゲーム業界にも長いことどっぷり浸かっていて、色々なポジションも経験してるんす
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